先日、蓮の寺として有名な京都・花園の法金剛院を友人と訪れる機会がありました。
苑池の蓮はまだ花を咲かせていなかったのですが、鉢植えの蓮は見事な白やピンクの花が立ち上がっていました。
水面に浮かぶ睡蓮に対して、蓮の花は水面から高く茎を伸ばして空中に花を咲かせています。
この姿が何とも美しいと感じます。
私たちは蓮と睡蓮を混同しがちですが、二つの植物は系統が全く違う植物らしいです。
蓮には青色や紫色の花はなく、ヨーロッパにも生息していないそうです。
アジア・オセアニアとアメリカにだけ蓮の花はあるのだそうです。
ヨーロッパ絵画に出てくるロータスは基本的に全て睡蓮ということになります。
これは驚きの話ですね。
蓮の葉に水滴が丸く浮いているのを見かけることがあると思います。
これをロータス効果というそうですが、細かい突起が葉の上面を覆っていて、
この突起の上に水滴が乗って表面張力で水玉になるそうです。
ロータス効果はヨーグルトの容器で蓋にヨーグルトが付かないように応用されていますね。
睡蓮の葉にはこの撥水性はなく、また蓮とちがって切れ込みがあって光沢もあります。
覚えれば二つの植物の違いは直ぐ分かるようになると思います。
蓮は種も地下茎も食べられますが、ベトナムでは美容や健康に良いと花や葉もお茶として飲まれています。
特にレンコンはレモンと同程度にビタミンCが豊富で、ムチンやタンニンも多く含まれているので、
美白や花粉症、アトピー性皮膚炎に効果があることが分かっています。
美容に関心のある人には特別な食べ物だと言えます。
また多くの蓮の花は午前中に満開になり、午後にはつぼみの状態へ戻ります。
美しい蓮の花が見たければ午前中の早い時間に限ります。
この閉花の現象は、どうも紫外線が影響しているようです。
紫外線から大切な種子を護るために、紫外線の強くなる午後は花弁で覆ってしまうと考えられています。
私たちも夏の午後の強い日差しには気をつけたいものです。
蓮はドロドロの沼地にあって、その中から1本の真っ直ぐな茎が立ち上がって美しい花を咲かせます。
日々ストレスの多い社会にあって、私たちもそのような姿で毎日を過ごしたいものです。